7月29日 日曜日。
職人は全員休み。午前中に現場で一仕事してから引っ越しの片づけものです。
午後から隣の県へ出向き、ステージを済ませ、夜遅くに帰宅。
この用事は神のお導きか、ご一緒した本職内装屋本性ロッカーの友人タケマル(仮名)に会い、なーなーでクロス貼りについてのお願い事を聞き入れてもらえることになり、意外なところで意外な案件が解決されました。
壁は全て塗装のつもりでしたが、鉄骨塗装だけでも死にかけていたので、建物全部ひとりで塗装というのはあまりにも過酷すぎる、どこか部分的にでもクロスを貼ってもらおう、という気持ちになっていたんです。
そんなこんなで翌日7月30日、週明けの月曜日です。いよいよ大変なことになってまいりました。
キッチンが到着してしまいました。
以前TOTOに発注した時、勝手な希望的観測から「じゃ、納品は7月30日で」と告げていたのです。
ユニットバスと違い、キッチンっていうのは床の上に置きます。完成した床にどーんと乗せるわけですね。どーんと。
でも床は下地のパーチクルボードだけが敷かれている状態。
どこに乗せるんですか、キッチン。床の仕上げどうするんですか。
とは言え、ぎりぎりのタイミングでコルクを貼ることが決定して、材料は足りないながらもすでに買ってありますから(2Fフロアはコルクで)「床仕上げをどうするか見当も付かぬ」ほどは酷くない状態です。もしそんな状態なら、キッチンを下地の上に置いてからキッチン以外の床仕上げに取りかかるという惨めなことになるところでした。
さて最悪の状態は脱している、つまり貼る予定のコルクはここにあります。こいつの厚みは11.5mmです。どうしましょう。
こうしましょう。
キッチンの下に、とりあえず12mmのコンパネを敷きましょう。12mmのコンパネの実際の寸法は11.5~8mmくらいですから丁度良い。ツラが合います。
後でコルクをこのコンパネのところまで突きつけで貼ればいいのです。それでほぼジャストな寸法ではありませんか。
というわけで急いでコンパネを敷き、仕上げもどきを作りました。
TOTO方面からやって来た取り付け職人が、その上にキッチンを組み立てます。
「わしな、昔このへんに住んでいたのよ」と組み立て屋。「あの店、まだあるみたいやなあ、ほれ『おやじ』」
おっ。「おやじ」は気になっていたすぐ近所のやきとり屋ですよ。でもほら、この辺りって、辺鄙だし、町内的な閉鎖的な、常連しかいないような、あまり好きじゃないタイプの店だったら厭だなあと思ってたんで、チャンスとばかり聞き込み開始。
「あのおやじが店を始めたとき、よう知ってるわ。25年くらい前かなあ。あそこは安いでぇ。で、美味い。いつもお客でいっぱいやった」
確かに今でもお客でいっぱいです。
よし今度行ってみよう。
(一年後、我々夫婦は「おやじ」のスーパー常連客になったのでありました)
走行言ってる間にキッチンが取り付けられました。
組み立て後、すぐに段ボールで養生。キッチンは隠されています。
こうして、2階最大の作戦、風呂とキッチンの設置が無事に完了したのです。
おめでとうっ。
ありがとうっ。
どどどっという勢いで2階は進行しています。
写真右側の飛び出した柱のくり抜きや、正面左側のくぼんだ棚、それから天井の配水管がはみ出た部分の覆いなど、小細工もちゃくちゃくと進んでいます。
風呂やキッチンが入って、小細工も進み、荒れ果てた一週間前の惨状からは考えられないほどの改良が進みました。
それもこれも、飽きずに読んでくれている皆様と職人たちと私たちのおかげです(笑)