8月15日。天井いきます。
天井の色は「ほとんど白」というくらいの微妙な配合の色にしました。わずかに黄味がかった石膏色です。
壁の塗装をしてから時間があまり経っていないので緊張しながら弱粘のマスキングテープを貼り、重ねてビニールマスカーで養生、天井を塗ります。
天井塗りは首と肩に大いなる負担を強いますね。きついです。知らず知らず「うっ」とか「おっ」とか息が漏れます。
なんとか天井塗装が完了。数年でヤニまみれになる予感ですが今は綺麗。
さてそれ以外に、2日がかりで仕上げたのは例の柱のでっぱり部分の特殊塗装です。
この仕上げはアンティコスタッコ(ベネチアンスタッコ)の金ゴテ仕上げに似た、重なりと艶の深みを作る技法で、本来必要な大理石パウダーや骨材を使用せずにオリジナル調合の材料にて施工する特殊塗装仕上げです。
艶はアンティコスタッコほどピカピカに出ません。ヘラでつける模様も、もうちょっとランダムで渋めです。
この仕上げは10年以上前に友人の塗装会社といっしょに開発したもので、大阪のとある立派なホテルのエントランスにも採用されています。
贅沢な仕上げなので、昨今はこういう仕上げを求めるエレガントな設計計画はほとんどなくなりましたね。
写真はわかりにくいですがこんなのです。
昔ならゴージャスな施設でしか採用しないようないろいろな仕上げが、今では住宅に採用されるようにもなってきています。
施工価格が大きく下がったこと、企業が意匠にお金をかけなくなり、かわりにこだわりのある個人が積極的になってきたことが理由のひとつだと思われます。
本職のほうにも、昨今は企業からの依頼が減った一方、個人からの問い合わせが増えてきました。
政治的な話で恐縮ですが、企業が意匠にお金をかけなくなった原因のひとつとして、不況とは別に、企業への減税が効いているのだと思います。
消費税を財源に企業減税が施行されて20年、トータルで148兆円の法人税が減税されています(その分、消費税歳入は145兆円)
企業の利益にかかる法人税、これが高いときには年度末に予算の消化が行われるのが常でした。儲かった企業が、高い法人税を払うくらいなら設備投資や人件費や外注や改装工事にお金をかけるほうが有益だと判断するからです(もちろん全て経費になります)
法人税が安くなると利益を確保してもさほど取られませんから平気です。人件費や設備投資や外注費や改装工事をケチってケチってケチりまくって利益を確保する方向に舵を切ります。ついでに投資に関する税金も下がりましたから、利益確保と投資ばかりにうつつを抜かすことになります。
企業ではこういう事が起きているんですねえ。
おっとすいません。そんな話はさておき、塗り直した壁、白い天井、こんな感じで仕上がりました。
壁の養生を剥がすと案の定すこし壁の色が剥げたのでそれを修正し、それから面倒くさいですが全てのコーナーにアイボリー色のコーキングを施していきます。これを入れるだけで、ぐっと締まりますよ。
いよいよ2階のフロア塗装が完成です。やったあ。
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今すぐ床の養生を取りたい気分ですがもうちょっと置いておきましょう。洗面への出入り口の建具や洗面器具などがまだついていませんから、もうしばらく土足で歩きたいところです。
夕方にはまず病院へ義父のお見舞いに行き、そのまま妻を拾って現場に戻るのが日課です。
暑さは相変わらずですが、空の形が少し変わってきています。お盆を堺に、秋への予感を感じさせる空がやってきます。
これから夜の部の作業に向かいます。応援ありがとうございますっ