大きなところは出来たので、あとは好きこのんで勤しんだ数々の小細工部分のペーパークラフト的ボード貼りの仕上げをやるばかり。
こういった細かい部分の工作です。その都度考えて測って切って貼っていきます。必要があれば寸三で下地を作ったり余った木を添えたりします。
配管隠しの延長線上に作った平もの置き場。僅かでも空間を確保したい一心で細かいデコボコがあってややこしいですがどうにかこうにか形になってきました。
おもちゃ置き場にする予定のここも大変ややこしいことになってきております。
コーナービートやジョイントテープも同時出動させてボードの醜さをカバー。下地パテなのか造形粘土なのか判らないような危うい工作です。
どうしても換気扇のダクトがはみ出てしまう箇所もありまして、そんな部分も情け容赦なくボードで小細工しています。
ここもコーナービートを造形の補強のために用いたりして、後の処理が面倒くさくなること請け合い。
そんなこんなの最後の悪あがきを経て天井造作は完了。ここまで、3ヶ月かかりました。ついにやりました。ぃやっほー。
で、ここからはいよいよパテやって塗装です。
塗装?得意得意。と余裕をカマしているかというと全くそうではなく、この時点で精も根も尽き果てていました。
下地パテの作業を開始したものの、大工工事の達成感とこれから訪れる研磨や繰り返しのパテ作業の面倒くささに体力気力共に溶け出して流れ落ちてしまっています。
下地パテ半ばにして床に崩れ落ち、天を仰いで「もうだめだ。こんなとき、スーパーマンがいてくれたらなあ」と思わず嘆いていると、なんとスーパーマンが現れました。
「普通のスーパーマンにパテは無理だ。私に任せなさい」ひげ面にドレッドヘアの大男がそういって瀕死の市民からパテ盛板とヘラを奪い取り、弾丸よりも速くパテをしごいていきます。
「仕事が速すぎて動きが見えない。あれは鳥か、飛行機か、それとも神か、いやちがう、あれはスーパー塗装マン!」
スーパー塗装マンは、私ならあと数日かかるであろうパテ処理を半日で終わらせてしまい、さらに見えない速度でペーパー掛けを済ますとローラーをがしっと掴んで塗料の缶に突っ込み、光の速度で塗り始めました。
気がつくとすっかり塗装を終えたスーパー塗装マンが微笑んで「困ったときには笛を吹きなさい」と言い残して去っていきました。
「ありがとうスーパー塗装マンのおじさん。よし。僕も大人になったらおじさんみたいな職人になるよ」と手を振りながら見送ると、空の色がうっすらオレンジピンクの光に包まれ始めておりました。